(2019/9/24 05:00)
建物の火災防止は永遠の課題。大手建設会社が人工知能(AI)など最先端の技術を活用した新たな取り組みを始めている。
清水建設の自社物流倉庫を見学した。段ボールなど可燃物が多い一方で、天井が高いために煙が一定の濃度になるまで時間がかかる。既存のセンサーでは火災検知が遅れがちだ。そこでAIとガスセンサーを組み合わせたシステムを開発した。
段ボールやビニールが燃焼した時に発する化学物質を検知する時間は、5―10分間。既存技術に比べて大幅に短い。さらに市販の炎センサーやレーザーセンサーとの組み合わせも可能だ。初期対応によりリスクを低減させる。ホコリを煙と間違えるなど「誤報をどう減らすか」に苦労したそうだが、実験を4カ月繰り返してデータを蓄積。約5000件のパターンをAIに学習させ、精度を高めた。
一方、戸田建設は新築工事中の地下階で発生する火災に備えて、新たな火災報知システムを開発した。煙感知器が音と光に連動し、現場作業員に火災を素早く通知する。安全な階へ避難誘導できる仕組みだ。
火災は出さないのが何よりだが、それでも時に偶発的な事故は起きる。常に最新の取り組みを続けてもらいたい。“安全第一”を願う。
(2019/9/24 05:00)