(2020/5/14 05:00)
経済産業省と日本貿易振興機構(ジェトロ)は、国内外の中堅・中小企業に対する相談体制や情報提供を強化する。新型コロナウイルスの世界的流行で企業による情報収集が難しくなる中、相談員拡充や専用窓口の設置などの施策を進める。国内企業の海外事業や、日本で事業展開する外資系企業の撤退を防ぎ、グローバルな経済活動の維持を狙う。
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国内企業の海外進出では、相談員の増員を中心に体制を手厚くする。特に新型コロナの影響が深刻な米国や、日系企業が多く進出する東南アジア諸国連合(ASEAN)各国を中心に相談員を重点配置。各国にあるジェトロ事務所への訪問を基本としていた相談体制についても、ウェブ会議やチャットによる体制の整備で柔軟に対応できる環境を整える。
日本企業の海外展開を支援する「新輸出大国コンソーシアム」も充実する。支援機関や専門家によるサポートを、新規の海外進出だけでなくオンラインでの商談や展開先の多元化などにも広げる。
外資系企業には早ければ6月中旬に専用の相談センターを設ける。新型コロナの流行以降、政府が発信する情報への問い合わせが増えていた。英語、中国語、韓国語などに対応する窓口を通じ、税制面や在留資格などの個別相談に応える。
政府は2020年までに中堅・中小企業による輸出額と現地法人売上高の目標を10年比で倍増とする一方、外国企業による対内直接投資残高を35兆円とする目標を掲げている。
(2020/5/14 05:00)