(2020/6/3 05:00)
将棋の名人戦七番勝負が10日から2日間、三重県鳥羽市での第1局で開幕する。名人は8大タイトルのうち竜王とともに将棋界頂点の称号。今回は豊島将之名人・竜王に渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)が挑む好対局。
名人戦は桜が満開の4月開幕が通常だが新型コロナウイルス感染症の影響で約2カ月、延期されていた。日本将棋連盟によるとフルセットまで勝負が持ち越されると第7局は8月下旬予定で、2カ月以上の長丁場の戦いとなる。
将棋のタイトル戦の醍醐味(だいごみ)はトップ棋士による盤上の戦いだけではない。普段の対局は東京・大阪の将棋会館で開かれるが、タイトル戦は全国の各都市を巡り、地元関係者らを迎えた前夜祭、開催地でファンを招いての大盤解説会などが催される。
“正装”である和服を着込んだトップ棋士が各地を回り、盛大に開かれるタイトル戦は地方のにぎわい創出の一助ともなっている。残念ながら今回はイベント開催は中止、十分な感染防止策を施した上で対局のみが実施される。
プロ野球も19日開幕するが、勝負事の最大の見せ場は“真剣勝負”。何より対局する2人がその場を待ち望んだはず。コロナ禍をも打ち砕く熱気が盤上からほとばしる戦いを期待したい。
(2020/6/3 05:00)