(2020/12/23 05:00)
オリンピック開催の意義を明確にし、世界に発信し賛同を得る努力が必要だ。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行で1年延期となった東京五輪・パラリンピック。
大会組織委員会は、東京都、政府と共同で、延期とコロナ対策に伴う追加経費を2940億円と算定し、政府が710億円、東京都が1200億円、大会組織委員会が1030億円それぞれ負担することで合意した。このうちコロナ対策費は960億円で、国と都が負担する。
組織委は追加費用について、500億円を損害保険収入で賄い、スポンサー企業にも契約延長と追加の費用負担約260億円を求め、ほとんどの企業から協力を取り付けた。
コロナ対策は今後決まる観客数や感染状況で追加費用が発生する可能性は残るが、課題であった費用問題に一定のめどが立ったことで、開催へのハードルを一つ越えた。
世界のアスリートが安心して来日し、競技を行える環境を作り上げなければならない。組織委は入国前、入国時、滞在中の数度にわたるPCR検査で選手のコロナ感染の有無を確認する考え。原則として自由な外出には制限をかけるが、ワクチン接種は選手の体調への影響を考慮し義務とはしない方針。大会関係者や観客への対応は、2021年春までに決定する。
関係者がすべきことは、五輪開催への準備状況をしっかりと発信することだ。五輪開催を懐疑的に見る国民はまだまだ多い。ましてや危機的感染拡大に直面する国々には五輪どころではないという思いも強い。
五輪はスポーツの祭典というだけでなく、世界にメッセージを発信する最大のイベントでもある。商業化、拡大路線に走る今のあり方に一石を投じるものとすべきだ。すでに五輪が開催できるのは経済力のある大都市に限られつつある。
困難ななかでも世界のアスリートが集い限界まで挑戦する。「参加することに意義がある」五輪本来の姿を見せる、簡素だが感動する大会運営こそ求められている。
(2020/12/23 05:00)
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