(2021/2/22 05:00)
奥秩父山系を源に東京湾へ注ぐ荒川の流域は野生生物の宝庫だ。埼玉県内の中流域に「太郎右衛門自然再生地」という広大な河畔林がある。自然再生推進法に基づき、全国で初めて事業が始まった。
散策コースがあり、運が良ければホンドタヌキやホンドイタチ、オオタカなどの在来種にお目にかかれる。ホンドキツネはもうじき子育ての時期を迎える。さながら大都会近郊のオアシスだ。
荒川は治水を目的に約80年前の河川改修で直線化された。再生地は旧流路にあたる三つの池を中心に構成される。近年は土砂の堆積による乾燥化と、樹林地の高木化や壮齢化が進み、河畔の特徴的な環境は失われつつある。
ガス供給業のサイサン(さいたま市大宮区)は、グループを挙げて自然環境の保護に取り組んでいる。サイサン環境保全基金は今年で創設から23年になり、累計約4億円を県内の自然保護団体に助成してきた。コロナ禍が収まれば、新人研修で再生地の草刈りをするそうだ。
再生地の小径をゆくと、動物たちには出会えなかったが、枯れ草の中から菜花の新芽が顔を出していた。コロナに呻吟(しんぎん)する人間社会をよそに、季節は着実に巡り来る。春近しの予感に心が浮き立つ。
(2021/2/22 05:00)
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