(2021/3/3 05:00)
3月26、27の両日、横浜市内で「SDGsアクションフェスティバル」が開催される。若者や行政、ビジネスから多様なメンバーが集い、国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成のカギとなる“アクション”(行動)を世界に訴える。国連開発計画(UNDP)から打診を受けて、フェスティバルを誘致した神奈川県の黒岩祐治知事も「気づきによってアクションを起こす場にしたい」と思いを語る。フェスティバルの狙いとSDGsの実践における企業への期待を黒岩知事に聞いた。
―フェスティバル開催の経緯を教えて下さい。
「私は2011年の就任時から『いのち輝く神奈川』を掲げてきた。医療や食、環境、街づくり、教育などが連動しないといのちは輝かない。県庁は各部局の政策をリンクさせようと取り組んできた。SDGsの考え方はいのち輝くと同じと思った。我々の活動は国連の目にとまり、19年に米ニューヨークの本部でスピーチした。UNDPのアヒム・シュタイナー総裁とも面会したことがきっかけとなり、フェスティバルを依頼された」
―フェスティバルは日本の自治体が主導しながらも国際的であり、国内の各主体も巻き込んだユニークなイベントです。開催の狙いは。
「SDGsは地球を俯瞰(ふかん)した理念だが、一人ひとりは何をしたら良いのだろうと悩んでしまう。そこでフェスティバルでは、ステークホルダーが"自分ごと化"するアイデアを持ち寄って発信し、一人ひとりのアクションにつなげたい。そして、いのち輝くのコンセプトも世界へ伝えたい」
―オンライン開催ですが、聴講者へのメッセージは。
「宇宙から地球を見つめ、自分からも宇宙を見上げて新たな発想や発見を得てほしい。行動変容がキーワードであり、聴講者が『自分の身近でもできる』と気づいた瞬間、アクションを起こす流れを生み出したい」
―フェスティバルにも企業が参加します。SDGs推進における企業の役割は。
「いくら県が旗を振っても県民一人ひとりとは距離がある。そこで県は企業とパートナーシップを築き、一緒に取り組んできた。事業者の数だけ活動のバリエーションがある。また企業もSDGsに真剣であることが価値向上につながる」
―「かながわSDGsパートナー」の登録が333社となりました。
「登録制度は中小企業の意欲向上につながっていると聞いている。企業のSDGs活動を社会に伝える、ある種の"見える化"になっているだろう。県と企業とだけでなく、企業同士もパートナーとなることで新たな気づきも生まれ、大きなアクションにつながる」
【2/26付 本紙第二部「地球環境特集」】持続可能な未来へ
⇒ 「地球環境特集」は紙面PDFでご覧いただけます。(PCからご覧の方)
2020年10月、菅首相は就任後の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げました。経団連も6月より脱炭素社会に向けた活動「チャレンジ・ゼロ」をスタートさせており、企業のイノベーションを後押しし、投資を働きかけています。
本特集においては、2050年CO2排出ゼロの達成に向かう産業界の取り組みを中心に、SDGsとビジネスの関わり方を紹介します。⇒ スマートフォンでご覧の方はこちらから紙面PDFをご覧いただけます
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(2021/3/3 05:00)