産業春秋/米同時多発テロから20年

(2021/9/10 05:00)

11日で米国同時多発テロ事件から20年。ハイジャックされた航空機がニューヨークの世界貿易センタービルに突入した。テレビで生中継され恐怖に震えたのを記憶している。

南北両棟は炎上して倒壊。ワシントンの国防総省も標的になり、邦人24人を含む約3000人が犠牲になった。米国は『対テロ戦争』へと突き進み、世界で3700万人もの難民を生む引き金になった。

企業の初動対応では、ドイツ銀行が素早かった。ニュージャージー州に用意してあったバックアップ施設に従業員約1400人を移動させ、事件発生の2時間40分後には業務を再開している。

「日本企業の緊急対応マニュアルは、火災と小規模な爆発しか想定していなかった。一方、ドイツ銀行は航空機のテロも想定して訓練を重ねていた」。防災・危機管理アドバイザーで防災システム研究所長の山村武彦さんはこう話す。

事業継続計画(BCP)の策定率は増加しているが、問題は中身だ。日本企業は地震対策が中心で水害や感染症、テロなどの複合災害を想定せずにきた。山村さんは「都合の良いリスクしか対象にしないから訓練も形だけ。BCPを作っただけで安心している」と警鐘を発する。

(2021/9/10 05:00)

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