(2021/10/7 05:00)
2021年のノーベル化学賞は、日本人受賞はならなかった。しかし受賞が決まった2人のうち、ドイツのベンジャミン・リスト氏は母国の研究所の所長に加えて、北海道大学の特任教授と研究拠点の主任研究員を兼務している。
物理学賞に輝いた真鍋淑郎氏をはじめ、海外を舞台に業績を上げた研究者は数多い。しかし逆は珍しい。リスト氏は学習院大学でも教鞭をとった経験があるそうだ。ボーダーレスになったと感じる。
「日本人で何人目」というノーベル受賞者の数え方は、年を追うごとに難しくなっている。自然科学分野で受賞時に外国籍だったのは南部陽一郎氏(08年)、中村修二氏(14年)、今年の真鍋氏と3人。文学賞では長崎市生まれのカズオ・イシグロ氏(17年)がいる。これと似たケースでは戦前の日本統治時代に台湾で生まれ、日本国籍を持っていた李遠哲氏(1986年化学賞)の例があるが、普通は日本人受賞者には数えない。
ノーベル賞は五輪のような国別の競争ではなく、科学の進歩に貢献した研究者を広く顕彰するのが本来の姿。今回受賞が決まったリスト氏のような卓越した研究者に日本の大学が関わりを持ったことを喜んでもいいだろう。
(2021/10/7 05:00)
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