(2021/11/29 05:00)
JR大阪駅北側で工事が進む再開発事業「うめきた2期」が具体化してきた。同地区に米ヒルトンの最上級ホテルなど3ホテルの進出が決定。大阪屈指の交通利便性がある同エリアの再開発では大阪・関西にとどまらず、グローバルに人が集う都市づくりを目指してほしい。
うめきた2期は、大阪・関西万博の開幕1年前の2024年夏頃に先行まちびらきを行い、27年度に全体開業する予定だ。23年春にはJR西日本が「うめきた地下駅」を開業し、関西国際空港と新大阪駅を結ぶ交通アクセスが一気に向上する。
うめきた2期の開発は三菱地所を代表企業に9社によるジョイントベンチャー(JV)で進められている。ホテル事業の幹事社、オリックス不動産は米ヒルトンと運営委託契約を結び、最上級ホテル「ウォルドーフ・アストリア」と日本初のライフスタイルホテル「キャノピー」を誘致した。インバウンド(訪日外国人客)復活を見越し、世界から観光客やビジネス客を狙う。ホテル以外にMICE(会合・報奨旅行・国際会議・イベント)施設や商業施設、オフィス、住宅棟などが整備される。
うめきた2期のまちづくり方針は「みどりとイノベーションの融合拠点」だ。13年にうめきた1期で開業した複合施設「グランフロント大阪」は年間約5000万人が訪れるランドマーク的存在になった。イノベーションを起こす知的創造拠点「ナレッジキャピタル」を設け、ベンチャーやスタートアップを育成する動きも根付く。2期でもイノベーション施設を整備し、ナレッジキャピタルとの連携を図る方針を打ち出す。
2期で敷地の約半分を緑あふれる大規模な都市公園として整備するのも大きな特徴。自然環境を生かした実験や、大規模災害時に避難場所でも活用できる。商売のまちと言われる大阪とは一線を画す、空間を目指す。
「うめきた」は、対外的に大阪で抱かれる“コテコテ”イメージとは違う。人を気さくに受け入れる土壌を生かしつつも、世界から人を惹きつける都市モデルを構築してほしい。
(2021/11/29 05:00)
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