(2022/4/20 05:00)
円安が止まらない。米国がインフレ退治の利上げを加速するとの警戒感から、およそ20年ぶりの円安水準で為替相場は推移している。ロシア通貨ルーブルが対ドルでウクライナ侵略前の水準に回復しているのとは対照的な動きだ。
日銀の黒田東彦総裁は18日の衆院決算行政監視委員会で、急速な円安が「マイナスに作用することも考慮する必要がある」と口先介入するも、異次元緩和の維持を表明し、円を売りやすくしている。
他方、ロシアのプーチン大統領は18日、西側諸国の経済制裁により一時は対ドルで価値が半減したルーブルがほぼ回復したことを受け、経済制裁が「失敗したことが証明された」などと強がっていた。
日本とロシアで明らかに異なるのが経常収支。西側諸国によるロシアからの資源輸入規制は段階的で、しばらくは禁輸とはならない。一方でロシアの輸入が減り、経常黒字幅が拡大している。日本は資源高と円安が経常収支の足を引っ張っている。
プーチン大統領は天然ガス以外の輸出品にもルーブル決済を拡大する意向を示し、あの手この手で自国通貨を防衛する。さて日本。参院選も見据えて金融政策の微調整はあるのか、市場は次の一手を注視する。
(2022/4/20 05:00)
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