産業春秋/唯一のマイナス金利通貨に

(2022/9/26 05:00)

スイス中央銀行が22日にマイナス金利政策から脱却したことで、主要国で同政策を継続するのは日銀だけになった。欧米は歴史的なインフレ退治に向けた金融引き締めを加速しており、これと真逆の日銀の政策がひときわ市場では目立つ。

市場で円が唯一のマイナス金利通貨と強く意識されれば「円キャリー取引」が拡大し、さらなる円安になりかねない。円を借りて高金利の外貨に替えて資産運用し、運用益と金利差益を稼ぐ取引だ。

日銀は22日の会合で金融緩和政策の維持を決めた。8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比で2・8%上昇し、日銀の物価目標2%を上回った。だがウクライナ情勢に伴う資源高と円安による悪い物価上昇で、景気の加速と賃上げを伴わないとの判断だ。

日米金利差の拡大が市場で意識され、先週末は1ドル=145円台まで円安が進んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月に続いて11月会合でも政策金利を0・75%引き上げることを示唆している。

欧米の相次ぐ金融引き締めはロシアのウクライナ侵攻に起因する。戦況劣勢のロシアは核兵器の使用さえ示唆する。蛮行を抑止し、円安を誘う「有事のドル買い」を回避したい。

(2022/9/26 05:00)

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