(2022/10/21 05:00)
20日の東京外国為替市場は一時、節目となる1ドル=150円台に突入した。32年ぶりとなる円安水準を更新した。政府・日銀による単独での為替介入は時間稼ぎに過ぎず、効果的な円安是正の対策は見当たらない。日米金利差の拡大を見据えた円売り圧力の継続が懸念される。
米連邦準備制度理事会(FRB)は11月1、2日に開く会合で、政策金利を4会合連続で0・75%引き上げるとの見方が有力だ。米国は11月8日に中間選挙を控え、物価抑制に向けた強いドルを容認する。一段の円安も覚悟したい。
財務省が20日発表した2022年度上期(4―9月、速報)の貿易収支は11兆75億円の赤字で、半期としては最大の赤字額となった。ウクライナ情勢に伴うエネルギー価格の高騰と円安の進行が赤字を膨張させている。
円安を追い風とする輸出は前年同期比23・2%増と堅調に増えた。だが輸入が同47・7%増と輸出の伸びを大きく上回った。拡大する貿易赤字が円安をさらに後押しすることに留意したい。
日銀の黒田東彦総裁は急な円安に懸念を示すが「安定的な円安」は「経済全体としてはプラス」というのが持論。米欧の物価が沈静した後の「安定」を粘り強く待ちたい。
(2022/10/21 05:00)
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