社説/技能五輪全国大会きょう開幕 意義大きく参加企業増やしたい

(2022/11/4 05:00)

 第60回技能五輪全国大会(主催=厚生労働省、中央職業能力開発協会)が4日から千葉の幕張メッセなど13会場で開かれる。全国の地方大会予選を勝ち抜いた23歳以下の青年技能者1014人が41職種で技を競い、職種ごとにチャンピオンを決める。ただ毎年、参加する企業の顔ぶれが限られている。より多くの企業が積極的に取り組むことで、日本全体の技能水準の向上につながることを期待したい。

 技能五輪全国大会は、国内の青年技能者の技能レベルを競うことで、青年技能者の技能水準の向上を目指す。併せて、技能に身近に触れる機会を提供することにより、国民技能の重要性や必要性をアピールし、技能尊重の機運の醸成につなげる狙いがある。今大会も全国の地方大会予選を勝ち抜いた23歳以下の青年技能者が41職種で技を競う。「機械組立て」や「旋盤」など4職種については、2024年9月に仏リヨンで開かれる第47回技能五輪国際大会への参加選考を兼ねる。

 厚労省が各種技能競技大会に参加した企業を対象に実施した調査によると、参加する意義として「競合他社などの技能の検証ができる」「技能習得のモチベーション・企業の代表としての責任感・モラルアップにつながる」「上位入賞や国際大会への参加をメディアに取り上げられることで企業イメージ(ブランド力)が向上する」など、さまざまな参加メリットを多くの企業が挙げている。

 メリットはまだある。選手として技能を習得した労働者が、後に指導者として若い労働者を教育・訓練することによってリーダーシップを身に付けることになる。継続的な競技参加が社内の技能レベルをさらに維持・向上させる可能性もある。

 技能競技大会への参加が、技能労働者の養成になるだけでなく、企業ブランドの向上、技能労働者全体の底上げ、リーダーの育成など人材開発の強化にも有効だ。技能競技大会が一部の中小企業や大手企業の参加にとどまらず、より多くの企業が参加することで、日本全体の技能水準の向上につなげたい。

(2022/11/4 05:00)

総合2のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン