産業春秋/日銀のサプライズはあるのか?

(2023/7/24 05:00)

日米欧の中央銀行の金融会合が月末に相次ぐ。米連邦準備制度理事会(FRB)が25、26の両日、欧州中央銀行(ECB)が27日、日銀が27、28の両日を予定する。米欧は金融引き締め、日銀は大規模金融緩和を継続する見通しで、為替相場の行方を注視したい。

米FRBは今会合で政策金利を0・25%引き上げるのを最後に、利上げを停止するとの見方が多い。6月の消費者物価指数は前年同月比3%上昇と、5月の4%から上昇率が大幅に鈍化した。

ECBも米FRBと同様に政策金利の0・25%引き上げが有力視される。6月の消費者物価指数は同5・5%の上昇で、5月の6・1%から低下したものの、ECBの目標2%には程遠い。景気の下支えとインフレ退治の両立がECBの課題になる。

日銀はイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)を修正し、長期金利の許容変動幅の上限を引き上げるとみられたが、現状の政策を維持すると市場は見方を変えた。

市場の見立て通りなら、月末の為替相場は日米金利差の拡大が意識され円安・ドル高で推移する。ただ、これはサプライズがなければの話。市場の読みを裏切るのかどうか、日銀の会合に注目したい。

(2023/7/24 05:00)

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