産業春秋/BCPあらためて意識付けを

(2023/9/1 05:00)

東京・汐留で展示されている、新聞通信調査会による関東大震災100年報道写真展を見た。惨状を記録した写真が並ぶ中、目にとまったのは死者・行方不明者の内訳を示したパネル。全体で約10万5000人に及ぶ中、工場などでの被害は約1500人だった。

1923年9月1日は土曜日だった。当時は週休2日制ではなく、土曜の午前は勤務時間。地震の発生は午前11時58分で、工場に従業員はいたと考えられる。倒壊した工場には、現在も続く大手企業の工場が数多くある。

だが死因の大半は地震発生後の火災によるもので約9万2000人。昼食の用意に火を使っていて、至る所で火の手が上がった。勤務先では無事だったが、避難しよう、家に帰ろうとして火災に巻き込まれた人が少なくなかったのでは。

地震による被害は、建物の倒壊という直接的な要因に、火災や津波など2次災害が加わり拡大する。これは阪神・淡路大震災、東日本大震災でも経験した。

東日本大震災を教訓にBCP(事業継続計画)を策定した企業は多い。しかし、12年たち従業員の入れ替わりも進んだ。策定時の危機感を思い返し、きょうを、あらためて意識付けするきっかけとしてほしい。

(2023/9/1 05:00)

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