(2023/10/27 05:00)
日本自動車工業会(自工会)主催の「ジャパンモビリティショー2023」が26日に東京ビッグサイト(東京・有明)で開幕した。一般公開は28日から11月5日まで。前回までの「東京モーターショー」から名称を変更し、自動車の枠を超えたモビリティー産業の可能性を模索している。出遅れた電気自動車(EV)での巻き返しと同時に、新たな産業創出を促す起点の展示会としても再出発したい。
今回の展示会には自動車業界にとどまらず、通信業界などの他産業やスタートアップを含む過去最多の475社が参加している。巻き返しを図りたいEVは、発売予定の車種から次世代のコンセプトカーまで幅広く展示。また170社を超える企業の新モビリティーも展示され、モビリティーのある近未来の都市、ビジネス、生活を体験できる企画も用意している。
国内の自動車市場は縮小傾向にあり、ソフトウエアと連携しやすいEV化や、多様な移動手段・サービスを創出することでモビリティー産業を育成することが求められる。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)によって車の概念は大きく変化しており、自動車業界だけでは実現できない新たなビジネスモデルを異業種との連携で探る必要がある。
新モビリティーでは、空飛ぶ乗り物や四足歩行ロボット、自動配送ロボット、災害時の遠隔操作ロボット、いす型で両手自由で移動できるモビリティーなど、従来のモーターショーを変革・進化させた展示・映像が数多くみられる。コンセプトモビリティーはコンセプトに終わらせず実用化につなげてほしい。
国際エネルギー機関(IEA)によると2022年新車販売のEV(電気自動車とプラグインハイブリッド車)比率は世界の14%に対し日本は3%。今展示会では航続距離を1000キロメートルとした次世代EVや全固体電池を搭載したEVコンセプトカーなどが会場に並ぶ。社会課題を解決するモビリティーの多様化と同時に、次世代EV実用化の歩みを確実に進め、世界市場で日本の存在感を高めたい。
(2023/10/27 05:00)
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