産業春秋/勤労感謝の日、誰に感謝?

(2023/11/23 05:00)

「勤労感謝の日は、働いて養ってくれているお父さんに感謝する日」。小学生の時そう教わった。そういう家ばかりじゃないのにと子ども心に思ったが、何分、半世紀も前のことである。

今ならなんと教えるのだろう。定義は「勤労を貴(たっと)び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日」とされている。そう、老若男女問わずに。

男女雇用機会均等法が施行されたのが1986年。女性活躍推進法の施行は2016年。女性が勤め続けることは、もはや当たり前となった。ただ賃金の男女格差はまだ残るが。

71年に特別措置法として制定され、86年に名称変更した高齢者雇用安定法。21年に改正され、70歳までの雇用が事業主の努力義務となった。半世紀前の感覚であれば、今日はおじいさん、おばあさんにも感謝する日となる。

人材会社エン・ジャパンの調べによると、50-54歳の転職者数は、上半期(4-9月)の比較で22年が前年同期比79%増、23年が同2・7倍となっている。転職して年収アップした人の割合は21年が32%なのに対し、22年は47%となった。人手不足の中、この年代を、あと10-20年戦力になるとみてのこと。今や、労使ともに感謝し合う日と言うべきか。

(2023/11/23 05:00)

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