産業春秋／本当に「ダさいたま」？

本当に「ダさいたま」なのか。実際に県民がどう思っているのか、埼玉県は意見を募集し、広報紙「彩の国だより」１２月号に掲載している。「何もないのが、ほっとする。イジられても笑い飛ばす。埼玉だけの豊かさ」とは深谷市の３７歳。

「ダさいたま」と言われ始めてから４０年たつ。この特集は埼玉をディスるパロディー映画「翔んで埼玉」の公開に合わせたもの。県民は、いまさら目くじら立てるまでもないといった心境に至っている。

都道府県別で埼玉県の人口は全国５位、製造品出荷額は６位、賃金構造基本調査統計では賃金９位。比較すれば豊かと言えるレベルにある。数値で示すのはダサいかもしれないが。

「便利な交通網がある」とは坂戸市の２６歳。県内には新幹線が２路線通り、高速道路は東西南北に６道が走る。人が集まり、産業活動が盛んな理由がここにある。１１月３０日付の弊紙第２部では、埼玉県の産学官の活発な動きを１６ページにわたり紹介し注目された。

「ダサくてイイ！俺が埼玉県を愛しているなら、それでいい」とは川越市の１７歳。紙上で大野元裕知事は、映画に埼玉への愛を強く感じていると話している。これをテコに埼玉の魅力発信していく構えだ。