伊藤忠、南ア社とグリーンアンモニアで協業 供給網構築へ

伊藤忠商事は１１日、南アフリカ共和国のエネルギー会社ハイブ・ハイドロゲン・サウス・アフリカとグリーンアンモニア事業の協力に関する覚書を締結したと発表した。南アフリカの豊富な再生可能エネルギーを使いながら、二酸化炭素（ＣＯ２）を排出しない工程でのアンモニア製造を共同検討する。同国の港湾の輸出設備を活用し、燃焼時にＣＯ２を排出しないアンモニアのサプライチェーン（供給網）の構築を目指す。

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  伊藤忠は南アフリカのハイブ社とグリーンアンモニア事業で覚書を締結した

伊藤忠とハイブ社は、南アフリカ南部の東ケープ州でグリーンアンモニアの製造を検討する。生産開始時期の見通しは明らかにしていない。英国を拠点に欧州などで６０以上の再生エネ事業の開発実績があるハイブ社グループの知見と、伊藤忠の事業ネットワークを融合して競争力のある製造・販売網の形成を図る。

太陽光発電や風力発電を使った水の電気分解で得られる水素からアンモニアを取り出す手法で生産を目指す。エネルギー密度が比較的高く効率的に輸送できるアンモニアの特性を生かして、火力発電や船舶の燃料などへの展開を図る。

伊藤忠はアンモニア燃料船の開発やカナダでのアンモニア製造プロジェクトなどにも参画しているほか、南アフリカのエネルギー大手サソールともグリーンアンモニア事業で覚書を締結している。大手商社がＣＯ２フリー燃料として注目されるアンモニアの事業に注力しており、伊藤忠はハイブ社との協業も通じて国際的に開発途上にあるアンモニア供給網の構築を急ぐ。