(2023/12/15 12:00)
中国にあるオークファンの子会社のトップとして重要なのは、中国や同国の事業環境をよく知ってビジネスすることだと考える。
張燕編著『ジャック・マー アリババの経営哲学』は、仕事をする上で座右に置いている。馬雲(ジャック・マー)氏といえば、中国のアリババ・グループ創業者で、中国でIT産業の発展をけん引してきた存在だ。
私は留学生時代、中国で個人的に馬氏と話す機会があった。ただ話のレベルが高過ぎて、あまり理解できなかった。「成功した経営者は特別な領域に入っているだろう」と馬氏に興味を持ち、深く知りたいと思い同書を手に取った。
「企業の成長と見た目は逆行する」「自分の出した提案を9割の人が賛成したら、案は捨てる」など関心を引かれる表現がたくさんあった。中でも「成功者には二つの資質が備わっている。一つは、大胆で執着心が強いこと、もう一つは、市場に対し敏感な嗅覚を持っていることだ」との一節は忘れられない。「諦めなければ成功する」という意味だと解釈し、自分も経営者の一人として意識している。
馬氏は無理難題ともいえる目標を設定し、逆算をしながら業務に当たる。目標となる金額や時間を一度決めると、絶対に変更しない。中国でビジネスしていると、中国企業のほとんどが馬氏と同じスタンスで動いていると感じる。「郷に入ったら郷に従え」で、私もこの考えを持つようになった。この本から中国進出への心得を知ったと思っている。
中国は優先順位を明確にしてスピード感を持って仕事をするところが長所だ。一方、日本に製品やサービスの質の高さという良さがある。この二つの良さを融合したい。
藤田晋著『渋谷ではたらく社長の告白』も、似た事業をする企業の社長はどんなことを考えているのかを知りたくて読んでいる。これからも、本で得た知識も生かしながら、さらなる事業成長に向けてかじを切っていきたい。
(2023/12/15 12:00)
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