(2024/1/4 17:00)
石川県能登地方で発生した地震を受け、同県や周辺の各県に工場を持つ企業が被害の確認を進めている。被害が軽微だった工場が多い一方、設備や建物に被害が生じている企業も表面化している。
コマツは引き続き工場の被害を確認し、粟津工場(石川県小松市)、金沢工場(金沢市)、氷見工場(富山県氷見市)では大きな被害はなかったという。従業員については、けが人が数人いたものの、グループ社員全員の安全確認が取れた。
一方、ジャパンディスプレイ(JDI)は4日、フラットパネルディスプレーを製造する石川工場(石川県川北町)で複数の配管の損傷や漏水、ボイラ停止の被害を確認したと発表。生産開始に向けて準備している。
村田機械は繊維機械などを生産する加賀工場(同加賀市)で、一部設備の破損や工場内壁の落下を確認した。このため4、5の両日は臨時休業とし、8日からの再開を目指している。
中越パルプ工業は主力の高岡工場(富山県高岡市)など2工場の操業を停止し被害状況を確認している。稼働再開は未定だが、同社は「重大な影響は検出していない」という。
村田製作所はワクラ村田製作所(石川県七尾市)と穴水村田製作所(同穴水町)の被災状況を確認中。一方、4日までに操業開始予定だった富山村田製作所(富山市)と福井村田製作所の武生事業所(福井県越前市)、宮崎工場(同越前町)では一部設備で操業を開始した。同社は石川、福井、富山の3県で13工場を構える。
富士電機は子会社の富士電機パワーセミコンダクタの北陸工場(富山県滑川市)で一部機種の設備に不具合が生じた。年末年始の休暇で工場自体の稼働は停止していた。調整が必要だが、工場全体の稼働に大きな影響はなく、4日から予定通り稼働を始めた。同工場はパワー半導体の後工程を行っている。子会社のプログラマブル表示機を生産する発紘電機(石川県白山市)は大きな被害はなく、5日から稼働予定。
東レは北陸地域に所在するグループ会社で建屋や設備の一部損傷が見られ、稼働への影響含め程度の詳細を確認中。東レ石川工場(同能美市)に大きな被害はないという。
UACJも主力工場の福井製造所(福井県坂井市)で建屋に軽微な損壊があった。だが現時点で製造に支障を来す建屋や設備の被害はないという。現在年始の休みのため、点検の上、順次稼働を再開する予定。
YKKの黒部事業所(富山県黒部市)は工場建屋では水漏れなどが数カ所確認され、8日の操業開始に向け復旧作業を進める。子会社のYKK APは大きな影響はなく、4日から稼働した。
バッテリーリフトメーカーの杉国工業(愛知県安城市、杉浦直樹社長)は石川県に北陸工場(津幡町)と門前町工場(輪島市)の2拠点を展開する。5日からの本格稼働を前に従業員の安否が確認できたとし、当面の生産体制の見直しに入った。電動リフトの主力工場でもある北陸工場は大きな被害がないもよう。ただ電装品を生産する門前工場は被害が大きく、生産を移管することになりそうだ。
プラスチック金型が主力の三恵金型工業(富山県南砺市)は工場・設備とも大きな影響がないことを確認。週明けに機械のレベル出しをメーカーに依頼し、問題がなければ本格稼働する方針だ。北陸自動車道も全区間で通行止めが解除されており「部品・部材調達も支障はなさそう」(山田俊影社長)という。
シキノハイテックは工場や生産設備への被害はなく、予定通り4日から工場を稼働。従業員の人的被害も確認していない。工作機械メーカーのキタムラ機械(同高岡市)も影響は軽微で、4日から通常稼働した。
(2024/1/4 17:00)
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