産業春秋／能登半島地震、ひとごとでない

元日の１６時１０分ごろ、石川県能登地方を最大震度７の地震が襲った。行方不明者の安否確認は終わらず、中でも輪島市、珠洲市の甚大な被災状況に言葉を失う。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。

家屋の倒壊に火災、道路の寸断による集落の孤立、さらに断水に見舞われている被災地もある。最大１万人の自衛隊員が派遣されるという。住民の安全確保を最優先に、安否確認と生活支援・インフラの復旧を急いでほしい。

能登半島は２０２１年に震度５弱、２２年に同６弱、２３年に６強の群発地震を観測していた。今回の被災地には古い木造の建物も多く、過去の被災の蓄積が今回の惨事につながったとの指摘もある。対策に遅れがあったのか、十分な検証が求められる。

２日、羽田空港で日本航空（ＪＡＬ）機と海上保安庁の航空機が滑走路上で衝突し両機が炎上した。海保機は能登半島地震の被災地支援のため、新潟航空基地に向かおうとしたところだった。原因の解明が待たれる。

政府は２４年度に首都直下地震の被害想定を見直す方針だ。甚大な被害想定を覚悟し、十分な対策を講じたい。今回の震災はひとごとではない。