エイヴィエルジャパン、車開発管理を一気通貫 電通総研とソフト分野強化

(2024/1/11 12:00)

自動車開発に使用するテストベンチなどに定評があるオーストリアのAVLリストは、2023年秋に電通国際情報サービス(現電通総研)と戦略的業務提携を結んだ。100年に1度の変革期にある自動車業界の対応をどのように支援するのか。日本法人であるエイヴィエルジャパン(AVLジャパン、川崎市中原区)の米玉利貞幸社長に、方向性を聞いた。

―今回の提携の狙いは。

「自動車開発に求められることが増えてきた中で全体的な最適化を図る必要がある。従来、当社の実機の性能検証と電通総研の開発プロセス管理は別のサービスで、情報伝達の手戻りなど開発現場で非効率な部分があった。提携で二つのサービスを組み合わせてプロセスを一気通貫にできるサービスを自動車業界に提供できる」

  • インバーターテストシステム「ジェネレーション5」

―提携でどのような成果を目指しますか。

「主に三つの効果が期待できる。一つ目はプロセスが一気通貫になることでトレーサビリティー(履歴管理)を確保できる。二つ目は試験や評価を自動化できることで、評価項目を増やせる。三つ目はモデルベース開発(MBD)などバーチャル試験が可能になる。まずは日本で開発したサービスを展開していく」

―他社も含めた今後のアライアンスの方向性は。

「AVL全体としてもソフトウエアは力を入れる分野で、電通総研は良いパートナーになる。また、マイクロソフトとも協業している。自動車開発もソフトの能力を高めていく方向に変わりつつある。今後もソフト分野に強化していきたい」

(2024/1/11 12:00)

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