(2024/1/31 17:00)
トキエア(新潟市東区、長谷川政樹社長)は31日、新潟空港から札幌丘珠空港の定期旅客便の運航を始めた。独立系航空会社の国内での新規参入は2009年に就航したフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市清水区)以来15年ぶり。国の安全性審査が長引いて初就航を度々延期していたが、県民や県経済界の期待を乗せて翼を広げた。
新潟空港で開いた記念式典でトキエアの長谷川社長は「ようやく就航する。若い人にどんどん乗ってもらい、新潟を盛り上げるのが次の目標だ」と時折声を詰まらせながら話した。新潟県の花角英世知事は「今日はゴールではなくスタート。安全運航を続け、皆さまに喜ばれる航空会社になってほしい。これからが勝負だ」と激励した。
初便の乗客は71人で、定刻より少し遅れて9時37分に出発。トキエアを支援してきた関係者や先行予約販売などで航空券を得た一般客が乗り込んだ。新潟県の橋本憲次郎副知事、新潟商工会議所の福田勝之会頭、大光銀行の石田幸雄頭取らも搭乗。商工中金などと同社に協調融資した石田頭取は「待ちに待っていたのでホッとした。県外の方にもたくさん来ていただきたい」とした。
飛行機は定刻通り11時10分に北海道の札幌丘珠空港に到着。福田会頭らは札幌商工会議所を訪問し、岩田圭剛札幌商工会議所会頭らの出迎えを受けた。福田会頭は「ダイレクトに新潟と札幌がつながるといいと、岩田さんと話し合っていたら本当になった。こんなにうれしいことはない」とあいさつ。岩田会頭も「待ち望んでいた就航。北陸から北海道に渡った人も多く、昔から縁が深い。これを機に経済交流を深めていきたい」と応じた。
また岩田会頭は、30年をめどに札幌丘珠空港の滑走路を現在の1500メートルから1800メートルに延伸する計画にも触れ、「今回の札幌―新潟便就航が強い後押しになるはず」と期待を述べた。
(2024/1/31 17:00)
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