(2024/2/15 17:00)
改革スピードの利点強調
北越コーポレーションの岸本晢夫(せきお)社長は15日、日刊工業新聞社の取材に応じ、持ち分法適用会社の大王製紙と検討している戦略的業務提携について「合併せずとも合併を超す効果が出せる」と述べた。提携効果は「相当な金額になる」との考えを示した。株式を持ち合いつつ、過去に訴訟を起こすなど対立した両社だが「取り巻く環境が変われば当社も相手も変わる」とし、協業で「目指す改革のスピードが高まり、対象範囲も広げられる」と強調した。
北越コーポと大王製紙は13日、生産技術や原材料購買、製品物流などで業務提携を検討すると発表した。北越コーポは大王製紙に約25%出資する筆頭株主で、大王製紙も北越コーポに約1・4%出資している。
北越コーポの岸本社長は大王製紙との協業について「紙パルプは需要構造が変化しても環境産業として未来があり、新規需要も創出できる」と述べた。「大王は本拠地の愛媛県、当社は新潟県を中心に面の展開が期待できる。改革も1社だと限界があるが、パートナーがいれば対象範囲が広がりスピードも効果も違う」と利点を訴えた。
北越コーポがかつて大王製紙の転換社債発行を違法と訴えるなど対立があり、協業を不安視する声もある。岸本社長は「不仲だったのも事実だが、今は人的信頼関係を回復した。2021年末から定期的に意見交換を重ねている。大王製紙はオーナー経営の要素を払拭し健全な上場企業として成長を目指しており、協業は双方にとってベストな判断」と語った。
一方、両社には大王海運グループ(愛媛県四国中央市)の実質的オーナー、井川俊高氏という뗈共通の敵뗉が存在する。俊高氏は大王製紙の創業家の一角で、同グループは北越株を大量に買い増すことで、北越が持つ大王製紙株を譲渡するよう圧力をかけているという。岸本社長は「株の買い増しは両社で意見交換を始めてからの動きで、業務提携つぶしが狙いだ」と述べた。
(2024/2/15 17:00)
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