オフィスに目的別スペース完備 メドライン・ジャパン、出社とリモートのハイブリッド対応に刷新

(2024/2/20 12:00)

コロナ禍をきっかけに、企業は本社の面積縮小や移転などを進め、社員全員の出社を前提としないオフィスへと変化している。医療材料を手がけるメドライン・ジャパン(東京都文京区、長谷川智裕社長)は、本社オフィスを出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークに対応した空間へと刷新した。個人の裁量で場所を選ばずに仕事ができるよう働き方が変わる中、働きやすさを提供する空間づくりに取り組む。

  • 集中エリアでの会話や電話での通話は禁止。業務に集中できる空間となっている

メドライン・ジャパンは、2023年5月ごろからオフィスのリニューアルを本格的に進めてきた。従来は異なる階にあった営業部門とカスタマーサービス部門を1フロアに集約。一部を除いて固定席をなくし、外勤の社員も含めて場所を問わず働けるようにした。

フロア全体はフリーアドレスだが、仕事内容や個人の目的に合わせた空間を完備することで、働きやすさを実現する。例えば仕切りがなくコミュニケーションが取りやすいオープンなスペースやオンライン会議用のスペース、飲食や電話での通話などを禁止した集中スペースなど、数種類のエリアを用意する。

目的別のスペースを用意したことについて長谷川社長は「社員が良い仕事ができる環境が第一。現場の社員の要望やさまざまな企業から意見を聞きながら、ハイブリッドワークに対応するオフィスづくりを考えた」と説明する。「ファミリーレストラン風のボックス席は、朝のミーティングでよく使われていて人気だ」(長谷川社長)という。

  • オープンなスペース、オンライン会議用の個室など目的別にエリアを配置し、効率的に空間を活用する

全員の出社を前提としない分、出社する場合には社員同士のコミュニケーションを促進できる空間づくりに取り組む。オープンなスペースだけでなく、プライバシーへの配慮が求められる仕事に対応した空間も設けることでフロア全体を有効に活用でき、集約後もゆとりのあるデザインが実現した。

リニューアルに当たっては、いすなどのオフィス家具のクリーニングを実施。全てを新規で購入した場合と比較して36%の経費削減、約14トンの二酸化炭素(CO2)量削減の効果があったという。長谷川社長は「コスト削減以上に、資源を大切にするという側面がある」と強調する。メドライン・ジャパンは事業の中で梱包(こんぽう)資材の有効活用を進めることで資源のムダをなくす取り組みを進めており、オフィスリニューアルもこうした考え方に基づいて進めた。

社員のニーズに合ったオフィスづくりを進めてきたが、現在の形で完成ではないという。長谷川社長は「実際に使いながら、『もっとこうした方が良い』という意見を継続的に取り入れ、より良い職場を作っていく」と力を込める。

コロナ禍をきっかけとした働く場所を限定しない働き方への変化は、コロナによる出社制限がなくなってからは子育てや介護をする社員の働きやすさの効果への期待も大きい。社員のワークライフバランスの尊重を前提に、さらなる働きやすい環境の提供を目指す。

(2024/2/20 12:00)

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