(2024/2/28 12:00)
ヤナギサワ(埼玉県嵐山町、柳澤智彦社長)は、ステンレス・難削材の切削加工を手がけている。数値制御(NC)旋盤を駆使し、産業機械や自動車、半導体製造装置向けなどに高精度の部品を供給する。柳澤社長に経営方針を聞いた。
―強みの源泉は。
「当社の主力はステンレス・難削材の小物精密部品で、非接触式の画像測定器を現場に導入するなど製造から出荷まで一貫した品質管理体制が強みだ。外観検査に人工知能(AI)を導入するなど自動化、省人化に取り組んでいる。人手不足対策に加え、検査の品質が安定する。人員を別作業に充てることもできる。自動化を進めたい」
―設備投資は。
「工場は24時間体制で稼働し、稼働管理システムにより設備の稼働状況や稼働率などを見える化している。設備はこの10年間で新しい機種に更新してきた。今後はより加工の幅を広げたい。従来は直径20ミリメートル以下の小物部品が多かったが、同20ミリメートル以上のサイズを増やしていく。時代の流れとともに小物部品の需要が高まり、手がける企業も増えた。一方で、サイズの大きいものに対応できる企業が少なくなり、顧客の困りごとになっているように思う。幅を広げるための投資もしていく」
―人材戦略は。
「高度人材や技能実習生ら海外人材が活躍している。技能実習生は2007年から年に数人を受け入れている。高度人材は将来の幹部候補だ。海外人材はハングリーさがあり、日本人の人材と組み合わせることで感化される部分もある。日本人の採用にも力を入れ、24年春には地元の高校生4人が入社する。教育研修を充実させ国家技能検定の取得を支援していく」
「カフェテリアや休憩所などを設け、職場環境も整備している。いかに働くことを楽しみ、興味を持てるか。若い人でもやらせてみて、ポジションを与える。中小企業はそういうことができるのが良さだと思う」
―今後のビジョンを教えてください。
「企業規模を大きくするよりも金属切削加工をぶれずにやっていきたい。新分野に取り組んでいく。得意のステンレス・難削材加工は既存の業界に限らない。当社が活躍できる業界に参入して強みを発揮したい」
(2024/2/28 12:00)
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