産業春秋/ウクライナが日本に求める防空システム

(2024/2/28 05:00)

ロシアのウクライナ侵攻から2年。欧米の支援疲れもささやかれるが、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使は27日に日本記者クラブで会見し、「停戦はない」とあくまでも戦い続ける意志を示した。

「ウクライナを完全に消滅させようとする妄想と交渉はできない」と言い切り、戦いは「東アジアや中東の安定化のためでもある」と訴えた。

ロシアは北朝鮮から武器の供与を受け、中東ではイランと手を組む。停戦は各地でロシアを助長させるだけで、日本においても北方領土問題を正当化する理由にしかならないと指摘する。

2年前の侵攻時には首都キーウまで迫られた。それを押し戻し、この1年半は南部・東部で一進一退の状況にある。停戦はなく「ロシアをウクライナから追い出さなければ戦争は終わらない」と強調する。ただ、それには十分な兵器が必要と言う。武器輸出に制約がある日本にできる支援は何か。

ウクライナが求めるのは「第1に防空システム。これは殺傷兵器ではなく命を守るためのもの」と日本政府に働きかけている。地雷除去技術にも期待する。民間も含めた復興支援の機運に感謝を示すが、それは先のこと。命を守る支援こそ急ぎたい。

(2024/2/28 05:00)

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