(2024/3/11 12:00)
ゴードーソリューション(浜松市中央区、熊谷弘之社長)は、IoT(モノのインターネット)を活用して接続した設備のデータを収集し、稼働状況を監視するシステム「ナスカ・ネオ・リンカ」の拡販に注力している。新機能を随時追加しており、同システムの側から数値制御(NC)装置を操作する「設備パラメータ設定」は顧客の要望で実装した自動化に関連する機能だ。
自動車部品を製造する渥美浜北(浜松市浜名区)に稼働監視機能を提案した際、「システム側からNC装置の設定を操作できないかという相談を受けた」(鈴木整ゴードーソリューション営業グループリーダー)。設備のデータを吸い上げるのではなく、システムから操作するという逆転の発想だった。
渥美浜北はマシニングセンター(MC)3台と産業用ロボット1台を組み合わせたラインを3基運用していた。ラインでは加工対象物(ワーク)が指定した寸法であるかを測定した後、状況に応じてNC装置を操作して工具補正値を変更する。ただロボットを使用しているため、操作盤に触れる際に機械を止めてから安全柵内に入る必要があった。遠隔で操作できれば、これらの手間と停止時間のロスをなくせる。早速ファナック製NC装置の通信プロトコル(規約)を確認したところ「実現できる見通しが立った」(若杉直毅ゴードーソリューション開発グループリーダー)。ゴードーソリューションが保有していたファナック製小型切削機で試験できたことも幸いした。
機能を開発し渥美浜北に導入したところ、5%の生産性向上の効果が得られた。現在はラインを停止することなく、1台のスマートフォンでMC9台の工具補正値を操作している。同時に工具の使用回数のカウンターなどのデータ確認も、機械の前に立たずに遠隔で行えるようになった。
顧客との協力により、IoTで自動化の効果を高める可能性を発見できた。現状はファナックのNC装置での工具補正値のみに対応するが、今後新しい機能性を検討する。
(2024/3/11 12:00)
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