MTL、小型・高トルクDDモーターで自動化支援

(2024/3/25 12:00)

  • 外径100ミリメートル、中空径40ミリメートルの「MDH―100シリーズ」

マイクロテック・ラボラトリー(MTL、相模原市南区、野村優介社長)の小型で高トルクを実現したダイレクトドライブ(DD)モーターが、半導体製造装置やロボット、医療など幅広い分野で活用が進んでいる。

1990年代初頭に開発したロータリーエンコーダー(位置検出器)は世界最小クラスを実現し、その特徴から「マイクロエンコーダー」と称される。DDモーターはエンコーダーで培った小型化のノウハウを活用し開発。高性能磁石と高密度巻き線技術により小型化・軽量化し、ギアレス構造で高い静音性や高精度な位置決めなどのメリットがあり、威圧感がなく、滑らかに動作する。

外力の検知にセンサーが不要で、安全・簡単にロボットなどに搭載できる。中空軸構造で内部にケーブルや光を通すことができ、装置の省スペース化や高精度化につながる。外径13ミリメートルから70ミリメートルの製品群を取りそろえ、1個単位で提供し、カスタマイズにも対応している。野村社長は「同じ外径での比較で最大トルクと中空径の大きさが業界最大級のため、装置を小型化し周辺の部品も減らせる。全体のコストダウンも期待できる」としている。

2024年から外径100ミリメートル、中空径40ミリメートルの「MDH-100シリーズ」が加わった。一般的な同サイズのモーターと比べて2倍となる12ニュートンメートルのトルク密度を可能にし、24ボルトで駆動する。「小型を維持しながら、より高トルクのものが欲しい」というユーザーの声を受けて開発した。

ロボットハンドなどの位置情報から力をセンシングする力触覚技術への応用も期待され、高い追従性とバックドライブ性で「マスター・スレーブ式ロボット」など医療機器での利用も研究されている。野村社長は「今後もこれまで市場にない製品を世に送り出し、幅広い業種に貢献していく」と展望する。

(2024/3/25 12:00)

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