インタビュー/栗田工業執行役・久世邦博氏 仕様統一で納期短縮へ

(2024/5/30 12:00)

共通部品、早めに手当て

―現状の調達での課題は。

「水処理プラントに使う部材の納期が長期化している。配管材料は半年から1年だった納期が、2023年は2年かかると言われた。数カ月の納期だったインバーターやシーケンサーも1年かかっていた。今は改善されたが、まだ長い」

―超純水製造向け水処理膜はいかがですか。

「数社しか生産できない膜もあり、長期化が継続している。世界各地で活発な半導体投資が要因として考えられる。半導体メーカーは早く稼働させたいと思っており、取り合いになっている」

―長期化への対応は。

「正式な発注を待っていると間に合わない部材・部品がある。そこで、各プラントに共通した部材・部品は、早めに仕入れるようにしている。また過去の実績、現在の判明している計画から確実に使われる部材・部品も早く手当てしている」

―もし半導体投資が止まると、在庫を抱えます。

「工場の立ち上げを遅らせるリスクを考えると、在庫は仕方がない部分がある。ある程度の部材・部品がそろっていると事前に作り込め、後工程の建設を標準化できるメリットが生まれる。また、顧客で異なる仕様の統一を許してもらえるなら、プラントの納期を短くする提案もしたい。複数のパターンをそろえ、いずれ提案できるように検討したい」

  • 部材・部品の手配を速めて納期の長期化に対応(写真は水処理装置)

―設計のデジタル化を進めています。調達との連携は。

「要求される水質や水量などが分かると設計のアウトラインができ、必要な部品がリスト化されるシステムを目指している。在庫の有無や納期まで分かると、状況が大きく変わる。27年に結果を出したい。今は部品メーカーと個別案件ごとに交渉している。まとめて発注できれば、メーカーも生産計画を策定しやすくなる」

―環境や人権にも配慮した調達も求められています。

「ESG(環境・社会・企業統治)に関する第三者評価機関のフランス・エコバディスのプログラムを活用し、賛同いただける調達先に回答してもらっている」

(2024/5/30 12:00)

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