住工混在地での操業維持に力 印南製作所、地域密着の活動にも積極

(2024/5/30 12:00)

  • 工場の堅牢性の確保に力を注いできた(印南社長)

印南製作所(東京都足立区、印南英一社長)は包装機や省力化機器を製造・販売する。衛生用品など生活必需品に近い製品の製造機械を手がけ、2011年の東日本大震災発生時には「現地での生産が崩壊し、他地域からの供給のため短納期での要請も相次いだ」。人々の生活を支える製品の供給を支えるため、工場の操業維持に特に力を注いできた。

同社の本社工場は東京・足立区の住工混在地域に立地する。これまで1990年頃から1期、2期、3期と増改築を進めてきた。耐震基準の変更などにも対応し、長期にわたる持続的な使用を目標に、常にその時点の最新工法を用いて建築してきた。実際、同工場内を歩くと鉄骨の太さや数の多さが目に付く。印南社長は「この地域で一番頑丈に作ってきたつもり」という。災害に備え、従業員約60人に対し600食の食糧を常備している。

周囲に住宅が立ち並ぶ住工混在地域なだけに、周辺との共生も操業維持のための重要なポイントだ。資材や製品を周辺住民に配慮して輸送しているほか、30年近く前から毎年、地元足立区の高校などのインターン生を受け入れるなど地域密着の活動にも積極的に取り組んでいる。

印南社長は「BCP(事業継続計画)といっても、共存するサプライヤーが実行可能かが重要」と指摘する。これまで同社に登録した業者は600社を超える。長期間取引してきた会社が多く、専属の業者も少なくない。これらのサプライヤーは同社を支える基盤でもある。1957年創業の同社では100年に向けた体制を常に意識している。

(2024/5/30 12:00)

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