(2024/5/30 17:00)
三菱ケミカルグループと韓国ロッテケミカルが折半出資する韓国ロッテMCC(瑞山市)が、メチルメタクリレート(MMA)の競争力強化に乗り出す。MMA誘導品の生産能力の増強を検討するほか、デジタル技術による生産性向上に取り組む。ケミカルリサイクル(CR)技術の活用も見据える。MMAは韓国での足元の需要が堅調に推移しているが、需給バランスの課題があることも踏まえて強化策に力を注ぐ。(ソウル=山岸渉)
ロッテMCCは韓国に大山工場(瑞山市)と麗水工場(麗水市)を有し、MMAやメタクリル酸(MAA)、メタクリル酸2ヒドロキシエチル(HEMA)、アクリル樹脂(PMMA)などを手がける。ロッテケミカルの石油化学拠点で生産に使うC4原料を安定的に調達でき、三菱ケミカルグループのMMA技術を活用できる点が強みだ。
MMAの誘導品でコンタクトレンズ材料向けHEMAが好調なほか、PMMAはコンパウンドでの自動車関係の着色、ゴムでの耐衝撃性の向上などの需要があるとみている。需要増の動きと出資両社の意向などを踏まえ、2024年度以降、HEMAやPMMAの生産能力の増強を検討していく。
デジタル技術による生産性向上も推進する。プラントのデジタルマップを活用し、先輩と若手技術者が同マップを見ながら教育をする。現場に出る前に的確なアドバイスができるため、安全性や生産性の向上に寄与すると見込む。グローバルのMMA拠点間での定期的な技術交流会も実施しており、交流会で得た情報をさまざまな改善活動に生かせると見込む。
一方でMMA関連は足元の需要は好調だが、石油化学の市況などが影響し、C4原料を作るナフサクラッカーの稼働率が低く、需給バランスがタイトになっている。原料調達や環境面では、三菱ケミカルグループが日本で取り組むPMMAのCR技術開発の活用を見据える。
(2024/5/30 17:00)
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