(2024/6/17 12:00)
新潟万代病院(新潟市中央区、宮坂大院長)は、7月にロボットアームを活用した治療を始める。股関節・膝関節を人工関節に置き換える手術で導入し、医師の負担を減らしながら、誰が執刀しても安全で質の高い医療を提供できるようにする。関節の痛みによる歩行障害は生活の質(QOL)の低下に直結する。超高齢化社会の日本では、心身ともに自立して健康的に生活できる健康寿命を延ばすことが重要な課題となっている。
同院は股関節の軟骨がすり減って痛みが生じる「変形性股関節症」の治療法である人工関節置換術を得意とする。2023年度の実施数は302例で、新潟県内で最も多い。同術式は人工関節を取り付けるため正確な位置・角度で骨を掘削する。骨盤・大腿(だいたい)骨の3次元(3D)図面で手術計画を立てて執刀するが、計画作成には1例当たり30分―1時間程度かかり、実際の手術にも高度な技術が求められる。
導入したのは米ストライカー製の手術支援システム「Mako(メイコー)システム」。術前計画の作成と術中の器具の制御機能で構成する。日本ストライカー(東京都文京区)の社内資格を有した専門家が手術計画を作り、手術中の機器の操作を補助する。
手術で用いるロボットアームには切削器具が取り付けられ、操作時には術前計画で定めた箇所以外の切削ができないように自動制御する。基本的な手術計画は専門家が作成するため、執刀医の作業時間は5分程度に短縮できる。そして経験の浅い医師でも正確に手術を行える。
新潟万代病院では一部の治療で同システムを使い、今後全ての手術での導入を目指す。また膝関節の手術でも活用する計画だ。宮坂院長は「手術をして良かったと思う人が増えれば、積極的な受診者も増えていくだろう」と話す。より安全で質の高い医療の選択肢を増やすことで、治療に取り組む患者を増やし、元気に生活できる高齢者の増加を目指している。
(2024/6/17 12:00)
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