(2024/6/17 12:00)
FAシンカテクノロジー(福島市、山口薫社長)は、プリント基板の自動ハンダ付け装置や実装関連設備の開発・設計・製造が主力事業。自動車の電装機器や産業機器関連向けが9割近くを占め、「ハンダ付けの品質の再現性が高く、自動化に適しているとの理由で採用されるケースが多い」と山口社長は話す。
自動ハンダ付け装置と言っても、同社が得意とするのは「後付け工程」の部分で「この工程の自動化がこれまで難しかった」(山口社長)。通常、その前段の上流工程では、電子部品実装機によりプリント基板に多数の小型部品を実装。続くハンダ付け装置で溶けたハンダをノズルで噴流させて山型に盛り上げ、基板を通すことによりハンダ付けする。
その後が後付け工程。コネクターなど大物かつ大電流を流すディスクリート部品などがメーン基板に挿入され、再度ハンダ付けが行われる。ただ噴流式は量産的な上流工程では品質に問題がないものの、さまざまなディスクリート部品を挿入した後の最終組み立てに近い基板では、もともと噴流形状の管理が難しい。そのため、接合強度などでハンダ付けの不良率が高くなるという。
それに対し、同社の装置は噴流式ではなくノズルレスの独自方式を採用。電極でハンダ槽の液面高さを検知しながら、プリント基板を載せたステージがハンダ槽の所定の高さまで降りてきて、液面に接点を浸しハンダ付けする。この方式だと槽内のハンダの量が減っても、常に液面から同じ高さにプリント基板があるため、「長時間使っても同じコンディションでハンダ付けでき、人が見守る必要がない」(桑嶋希取締役営業部長)。
しかも噴流ノズルを分解・清掃する手間も不要。槽内の溶けたハンダを板の横移動でゆっくりとかき混ぜる撹拌(かくはん)機構も特許取得済みだ。
このハンダ付け装置はこれまで150台以上の出荷実績があり、その約半数が海外の日系企業の工場で稼働している。
(2024/6/17 12:00)
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