(2024/6/17 17:00)
TDKは17日、全固体電池向けの新たな材料を開発したと発表した。材料に使う電解質や負極などを同社の従来品から変えたことで、体積当たりのエネルギー密度を約100倍の1000ワット時に高めた。新材料を用いた全固体電池はワイヤレスイヤホンや補聴器、スマートウオッチなどの小型電子機器への搭載を想定し、2025年に試作品の出荷を目指す。
体積当たりのエネルギー密度を高めることで全固体電池を小さくでき、小型電子機器にも対応できる。新材料には、従来品とは異なる酸化物固体電解質や、リチウム合金負極を採用している。
酸化物固体電解質は安全性が高いため、同電解質を使った全固体電池はウエアラブル端末への搭載に適している。また、コイン型一次電池から代替する需要もあると見込む。
新材料を用いた全固体電池の量産時期は明らかにしていない。今後、電池内部の多層化を通じた容量の拡大や電池の動作温度範囲を広げ、量産に備える。
TDKが20年に量産を始めた全固体電池「セラチャージ」は肉の内部温度を計測する調理用温度計に採用実績がある。ただ、容量を一段と高めたいといった顧客からの要望があり開発を続けていた。
(2024/6/17 17:00)
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