中山水熱工業、汎用機械の故障を自動検知 Wi―Fi振動センサー

(2024/6/19 12:00)

  • コナンエアーの防爆仕様㊧と標準仕様

中山水熱工業(三重県鈴鹿市、中山慎司社長)は、配管・ダクトなどの設備工事やポンプ・ファンなどの汎用機械メンテナンスが主力。産業施設・設備の保全に関わるあらゆるニーズに対応できる。現在、こうした現場で培ってきた経験を生かして開発したWi―Fi(ワイファイ)振動センサー「コナンエアー」の製造・販売に力を入れる。

コナンエアーは通信にWi―Fiを利用することでコストを抑えた予防保全用のセンサー。ポンプやファンなどの汎用機械の外側に磁石で設置すると、加速度や速度を自動で計測。生データをWi―Fiでパソコンやスマートフォンに送信する。

人による巡回点検から同センサーによる自動計測に置き換えることで、高頻度の状態監視を実現。機械が壊れる前に自動で異常を検知できるようになり、予防保全に役立つ。同時に点検にかかる人材不足にも対応できる。

手のひらサイズで重量は設置用磁石を含め77グラム。リチウム一次電池CR2を1本使用し、全自動モードで1日1回測定した場合は約4年間動作する。導入しやすいよう1台の値段を4万円(消費税抜き)に抑えた。また、同様の機能を持つ他社製品は取得データが要約データだが、同センサーは生データであり、人工知能(AI)分析にも利用可能だ。

2024年1月には同センサーの防爆仕様を発売した。国内外の防爆認証を取得し、耐圧・粉塵防爆まで対応。石油・ガス・化学プラントなどにある、水素を含む可燃性危険物を扱う場所「第一類危険箇所(ゾーン1)」でも使用できるようにした。製造に当たっては防爆製品のノウハウを持つ中村電機製作所(佐賀市)の協力を得た。

現在、商社を通じて必要とする企業に販売するほか、大規模工場やプラントなどの保守・運転サービスなどを手がける大手企業に提供。こうした企業のIoT(モノのインターネット)ソリューションにセンサーの一つとして組み込む形で拡販している。既に6社と協業しており、今後も増える予定だ。

(2024/6/19 12:00)

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