(2024/6/19 12:00)
エア・ウォーター北海道(札幌市中央区、庫元達也社長)は、1929年に設立された北海酸素をルーツとする道を代表する企業。2024年12月には北海道が抱える社会的課題の解決を目指すオープンイノベーション施設「エア・ウォーターの森」を開業する計画だ。北海道出身で4月に就任した庫元社長は、同社で事業企画部長や事業連携部長など事業畑を歩み、現場への視線が熱い。地域も含めたヒトづくり・モノづくりについて聞いた。
―北海道は課題先進地域と言われるほど難題が山積みです。
「エア・ウォーターの北海道、東日本、西日本と三つある地域事業会社のうち売上高が1000億円を超えるのは北海道だけ。一方で2023年度決算で前年度比減収となったのも北海道だけだ。この事実に社員は正面から向き合う必要がある。要するにエア・ウォーター北海道に新しい第一歩が必要だということ。エア・ウォーターの森の誕生はそうした経緯もある」
―新しい一歩が北海道の難題解決に寄与するということですか。
「そこが私たちの目標。エア・ウォーターの森は当社が地域の住民、大学、企業などあらゆるものと連携しイノベーションを起こしていく場所だ。農業や食品、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に取り組んでいく」
―具体的には。
「地元の人たちが気軽に入れるようにレストランなどを設けるほか、個室や実験室を備えるオープンイノベーションフロア、多くの人々が集まり話し合いが可能な場も設ける。エア・ウォーター北海道の本社機能も入居する。単なるコワーキングスペースではなく、社会実装に向けたテスト環境の整備や投資ファンドとのマッチング、販路拡大の支援なども進めていく」
―当初の専属スタッフは社内公募したそうですね。
「これまで社内からの事業募集といった類いはほとんど実施してこなかった。今回は初めから幅広く公募した。数十人の立候補があり、私はほぼ全員に面接した。こうしたことも含め、エア・ウォーターの森で当社の将来を見いだせる可能性があると確信している。社員も勇気を持って新しいことに挑戦してほしい。私はそれを応援したい」
(2024/6/19 12:00)
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