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(2024/7/1 05:00)
次世代若手社員のお手本に
(総合1から続く)高校で有機化学に興味を持ったことがきっかけで、メタンハイドレートなど珍しい研究をしている北見工業大学に入学しました。3年生まで化学の基本を学び、4年生を飛ばして入学した大学院で有機合成化学を専攻しました。
田岡化学工業はラボレベルから工場スケールまで研究員が携われます。女性研究員も多く活躍していることに魅力を感じ、2020年に入社しました。入社後は精密化学品グループに配属され、樹脂添加剤に用いる化合物の製法検討を担当しました。特許文献の調査や工業化検討、コスト計算など、企業の研究の基本にしっかり携わりました。
22年から、新しい材料研究をする先端材料プロジェクトに所属しています。名古屋大学が開発した合成方法「APEX反応」をベースにナノグラフェン類の工業化製法を検討しています。成果の一環として試薬販売も始めました。試薬化には有機合成化学だけでなく、品質管理や分析など専門外の知識が必要です。非常に苦労しましたが、大学など外部機関の知識と知見のある方にアドバイスを受けて、たくさんの方に助けてもらい完成することができました。
今後は有機合成化学の知識だけでなく、ナノグラフェン類の性能評価に関する知識も身に付け、多角的な知見を持つ研究者になりたいです。また、次世代の若手社員のロールモデルとなるような人材になることも目指しています。
休日はアーティフィシャルフラワーを使ったフラワーアレンジメントをしています。色の組み合わせやお花の選び方で印象が変わります。自分らしい作品ができるとうれしいです。(文=大阪・岩崎左恵、写真=田山浩一)
◇田岡化学工業 研究所 先端材料プロジェクト 前田優奈(まえだ・ゆな)さん
(2024/7/1 05:00)