(2024/7/9 12:00)
石油・自動車などを扱う総合商社の関彰商事(茨城県筑西市、関正樹社長)は、国内に加えて海外人材の採用も進める。グループ全体で12カ国から48人の海外人材を受け入れる。特にアジア圏では複数の日系企業が参加する採用イベントを現地で開き、日本国内の人材不足解消に役立てている。関社長は「世界にも目を向け、国内外から優秀な人材を確保する」と海外人材に期待を寄せる。
関彰商事本社で市場調査や新規事業開発を担当する総合企画部では、所属する16人のうち4人がベトナム、インド、米国出身の海外人材。それぞれ日本人と同じ業務をこなすほか、海外現地採用イベントの準備、訪日した海外の顧客との通訳も務める。総合企画部の上村祐一部長は「日本語は堪能で、言葉の違いによる業務上の支障は少ない。優秀な人材が活躍している」と自信を見せる。ただ、「日本語特有のニュアンスのくみ取りが難しい場面もある」(上村部長)とし、より円滑なコミュニケーションに向けて努力している。立場に関係なく、分からないこと、不安なことを繰り返し尋ねるよう指導し、誤解を減らす。
また部署内に手持ちサイズのホワイトボードを導入し、理解しにくい内容を図で示しながら会話できるよう工夫している。当初は海外出身の社員が日本語で他社員と会話するために導入したが、現在では日本人社員同士の会話にも使われ、スムーズな意思疎通に役立っているという。
関彰商事では2014年から海外人材の活用に目を向け、16年からベトナムの高度人材向けに採用イベント「SEKISHO JOB FAIR」を現地で開催。同社も自ら出展する。日系企業など26社が出展した23年は、2日間で2600人以上が日本国内の就職を目指して来場した。現在総合企画部に在籍する社員2人も、同イベントをきっかけに入社した。
19年に初めてインド人社員を迎え入れたことを契機とし、インド市場にも参入した。これまでに現地の大学15校以上でヒアリングをし、インド人学生の能力と日本企業への就職に対する関心は確認済みだ。
6月からは新たにインド人インターン生を5人受け入れた。モビリティ総合企画部でデータ収集・分析ツールの作成を体験したアヌシュカ・ティアギ氏は「日本は雇用機会が多い。自分が学んできた分野が仕事に生かせる」と破顔する。今後も「インドとベトナムで人材採用を充実させる方針」(関社長)とし、事業拡大を図る。
(2024/7/9 12:00)
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