楽しく働ける環境つくる課長に 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の木村友理香氏に聞く

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大宮支店の課長の内示を受けたのは２０２３年のことです。上司には「上には上がりたくありません」と面談でずっと話してきました。もともと私はレストランの予約の電話も苦手なほど内気なタイプです。証券営業で自分の殻を破れるのでは、と今の会社に入社し、リテール営業に従事してきました。営業は予想以上に大変でしたが、入社したばかりの自分が企業の社長さんから色々な話を伺って世界が広がっていく感覚が楽しく、仕事を続ける支えになりました。

それでもどこか自信のない自分がいて、課長は務まらないという思いがありました。周りに女性の課長職がおらず、イメージが湧かないこともあったと思います。

上司は「自信を持って。あなたならできるよ」と背中を押してくれました。女性課長のロールモデルを探す必要はない、性別に関係なく、今までの上司の尊敬できる点や素晴らしい点を集めて、自分なりの課長像を創っていけば良い―そう考えて気持ちが軽くなり、心が固まりました。

５人の課員の営業に同行するなどしてサポートするのが現在の主な仕事です。何より皆が楽しく働ける課にしたいと考えています。個々人で「楽しい」の意味は違いますが、それぞれの楽しさを引き出し、モチベーションやパフォーマンスを上げられる環境作りを目指しています。

そのために課員一人ひとりをよく見て、小さな変化にも気付ける自分でありたいと思っています。例えばいつもは引っ込み思案な課員が他のメンバーに負けた時は悔しそうにしている姿を見ると、意外に負けず嫌いなんだなと分かり、より的確なアドバイスができます。自分が楽しい瞬間を意識することで自信に関係なく仕事の時間を充実させることができ、世界が広がる。自分の経験から得たそんな思いを、私なりのやり方で伝えていけたらと思います。