通商白書、輸入元の分散重要 強靱な供給網構築へ

(2024/7/9 17:00)

経済産業省は9日、「通商白書2024」をまとめた。日本は機械類や有機化学品といった品目で、中国を筆頭に特定国への過度な輸入依存があると指摘した。世界経済の分断が深まる中でのリスクが顕在化しており、輸入元の分散が重要だと論じた。公平な競争条件を確保すべく供給・需要側の双方に働きかけると同時に、同志国との協調による透明・強靱(きょうじん)で持続可能なサプライチェーン(供給網)を構築すべきだとした。

輸入元が分散しているかどうかを示す「ハーシュマン・ハーフィンダール指数」による分析で、日本はドイツや米国、先進7カ国(G7)と比べ特定国に対する輸入シェアが高いことを示した。

足元については、インフレは依然高水準だが落ち着きが見られる一方、影響は大きく世界経済が成長軌道に戻るには相応の時間を要すると見通す。回復に地域差が見られるが、インドをはじめアジア経済の成長は著しいと予測。対する日本は円安下でも輸出数量が伸び悩んでおり、中堅・中小企業を含め製造業の8割を占める間接輸出企業の海外展開支援が重要だと説いた。

また経済発展による存在感の高まりを受け、今回初めてグローバルサウス(南半球を中心とした新興・途上国)に特化した項目を設けた。

(2024/7/9 17:00)

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