(2024/7/10 12:00)
布引製作所(神戸市東灘区、安藤隆社長)は1944年の創業以来、精密打抜スクリーンの専門メーカーとして小孔径・多孔や特殊形状対応など独自技術の開発と向上を進めてきた。食品・医薬品関連装置を中心に幅広い分野に製品を供給。近年はさらなる市場拡大に向け、新分野と海外展開に力を入れる。安藤社長に取り組みを聞いた。
―布引製作所の強みは。
「2024年で創業80年になるが、ブレずにパンチングメタルの製造に取り組んできた。特に小孔径・高密度製品や特殊形状製品に対して技術を磨き、ノウハウを蓄積してきた。これが当社の強みであり、今後もこの事業スタイルを続けていく方針だ。主な取引先が食品や医薬品分野であるため、景気に大きく左右されることもなく堅調だ」
―技術開発ではどんな点を重視していますか。
「金型の設計・製作からプレス機・周辺機器のカスタマイズ(個別対応)、加えてマシニングセンター(MC)を活用した2次加工の技術向上とレパートリー拡大などにも力を注いでいる。その他、製品ごとの検査手法も顧客の要望に応じて変更するなど、自社一貫生産に重きを置いている」
―今後の成長戦略としての取り組みは。
「最近は環境や新エネルギー関連のほか、電子部品関連の製造装置向けにも採用が進んでおり、新しい顧客が増えつつある。顧客ニーズも多様化しているが、要求に応え満足度を高めることで、さらなる需要を喚起する」
―多様化する顧客ニーズに対応する上で、作業者の技術向上も欠かせません。
「製造部門を担当する人材として毎年、工業高校卒の若手を採用している。ただ年々、採用の環境は厳しくなっている。当社の事業が直接的ではないものの、間接的には国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献しているということを、もっとアピールする必要がある。このような状況の中、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)を主とした人材教育については、これまで以上に気を配っている。地域の商工・経済団体などが実施する研修への参加の促進に加え、今後の海外展開を見据え、海外と交渉できるような人材の育成にも目下力を入れている」
(2024/7/10 12:00)
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