部品一体成形で衝突安全性向上 ゲスタンプのホットスタンプ

(2024/7/24 12:00)

  • 部品を一体化した「ギガスタンピング」の提案に力を入れる

自動車の電動化が進む中、軽量化のニーズが増している。部品の高強度化や軽量化に寄与する技術として注目されているのが「ホットスタンプ(熱間プレス)」だ。自動車プレス部品世界大手であるスペインのゲスタンプ・オートモシオンは部品を一体化した「ギガスタンピング」の提案に力を入れる。環境負荷低減でカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に貢献する。

ホットスタンプは複雑な形状の部品を効率的に成形する技術。約900度Cに加熱した鋼板を金型で急速に冷却し成形・硬化させる。軽量化と同時に耐衝撃安全性を向上できる。ゲスタンプは金型製造から生産ラインの構築まで包括的に対応する。

特に注力するのがギガスタンピングだ。複数のプレス部品をまとめて成形して巨大な部品を製造する。部品点数や使用原料を減らし、生産時間の削減や組み立ての簡略化に寄与する。材料のムダを省き、製造工程での二酸化炭素(CO2)排出量削減にも貢献。アントニオ・ロペスアジア部門最高経営責任者(CEO)は「電動化の潮流には課題がある。例えば重量。バッテリーが重く軽量化が求められる」と指摘する。

ゲスタンプは世界24カ国に拠点があり、13カ所に研究開発センターを持つ。現地の完成車メーカーと長期的な信頼関係を築き、コンセプトの段階から連携して、最新の技術や知見で最適な製品を提供している。

日本市場には2009年に進出。日本の完成車メーカーに対する技術者の派遣や、三井物産との提携など協業を推進してきた。17年には東京都内に「R&Dセンター」を開設し、三重県松阪市に工場を開設・増築するなど日本市場での展開を強化している。

ロペスアジア部門CEOは「日本は重要な市場でぜひ注力していきたい。顧客となる完成車メーカーが多く存在するだけではなく、日本から海外など横展開も考える必要がある。今まで培ってきたノウハウを日本でフル活用していきたい」と力を込める。

(2024/7/24 12:00)

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