インタビュー/IWC社長・藤田伸恵氏 金属フレキ管、自動化で軽量・柔軟性向上

(2024/7/24 12:00)

IWC(奈良市、藤田伸恵社長)は、金属フレキシブル配管を手がける。原材料から一貫生産し、成形機を自社製作するなどノウハウも蓄積している。これまで半導体関連向けを中心に展開してきたが、需要変動が激しいこともあり、新技術の開発や認定取得なども進めて生活インフラ、プラント、医療、航空宇宙関連の用途開拓に取り組む。藤田社長に技術開発や取り組みの方針を聞いた。

  • 藤田氏

―IWCの強みは。

「コイルからチューブ、線材からブレードを生産し、金属フレキシブル配管を原材料から一貫生産してタイムリーに供給している。原材料の重量ベースで毎月約30トンを取り扱っており、チューブやブレードを調達してアセンブリー生産するのに比べてコストや納期でメリットを出せる。注文ミスや配送トラブルなどのリスクを減らせる」

―成形機も内製しています。

「会社発足時は溶接機とリーク検査機のみだったが、金属フレキシブル配管を手がけるため成形機も図面作成から自社で行った。他社から譲り受けた成形機もあるが、多くは自社製で使い勝手が良い。今後は成形の後工程も自社で手がけて納期短縮につなげたい」

―技術開発の方針は。

「軽量化や柔軟性の向上が課題だ。自動化技術などを活用し、溶接時の電流やダイス成形の制御・監視を長時間安定させることで、薄肉の配管やスムーズに曲がる配管の製作につなげる。板厚が厚く高圧や熱に強い配管の需要もあり、ガスや水道などの法規に沿った認定を取得して対応する」

―エネルギー関連も有望な用途です。

「今後は水素エネルギーの活用が増える見込み。どの分野が伸びるのかを見極め、ガソリンエンジン車関連などの需要減をカバーする。新規開拓では金融機関のマッチングも利用している。営業の人材を確保・育成し、開拓を積極化する」

―若手人材の育成策は。

「中小企業は大学や高等専門学校卒の人材確保が難しく、高校卒の人材を長い目で育てる。機械の仕組みや設計に関心を持たせ、理由や要因を考えて理解する力を付けさせることが大事。完成や開発目標の達成時に喜びや楽しさを感じてもらい、仕事を継続する意欲を引き出すことも重要だ」

(2024/7/24 12:00)

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