AIで心電図解析、東大が新手法 限られたデータから心機能低下を高精度検出

(2024/8/14 17:00)

東京大学の小寺聡助教らは、人工知能(AI)を使った心電図の解析手法を開発した。AIがデータの一部を利用しAI自身が正解を見つけ学習する手法を活用。他の医療施設から集めた大量のデータから一部を隠した心電図データを再構築し、心電図の特徴を学習させた。限られた心電図のデータから心機能の低下を高精度に検出できた。心不全の診断に役立つと期待される。

  • 新しいAI技術を用いた心電図解析(東京大学提供)

成果は14日、科学と医学のオンライン科学誌に掲載された。

データの一部を隠し、隠された部分を再構築し学習する「マスクドオートエンコーダー(MAE)」を使った心電図の解析モデルを開発。MAEで隠された心電図データを再構築し、画像を小さく分割し、各部分を処理し全体を理解する「ビジョントランスフォーマー」モデルを事前学習させた。

東大医学部付属病院など7医療機関から集めた23万例のデータを活用し、解析モデルを訓練・検証した。解析モデルは他の深層学習モデルをしのぐ高い性能となった。さらにデータが限られている場合に適切な学習手法を使えば高性能なモデルを構築できることも示した。

AIの学習で必要とされる大量のラベル付きデータがなくても高性能AIモデルを作れるため、データ収集のコストや時間を減らせる。

これまでの心電図の解析で高精度の異常を検出するには大量のラベル付きデータが必要だった。だが医療分野ではデータ収集やラベリングが難しく、精度向上が難しかった。

(2024/8/14 17:00)

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