インタビュー/モルテン防府工場長・長廣耕一良氏 改善活動、経営課題につながる

(2024/9/4 12:00)

モルテン(広島市西区、民秋清史社長)は、自動車用の音や振動、流れを制御する各種樹脂・ゴム部品を製造する。納入先からの改善活動に対する評価は高く、改善を継続する仕組みも根付く。樹脂部品のマザー工場・防府工場(山口県防府市)の長廣耕一良工場長に取り組みを聞いた。

―マツダからは10年連続で取引成績優秀賞を受賞しています。

「改善活動は2001年に外部講師を招いてトヨタ生産方式(TPS)を学び始めた。09年にサプライヤーの会合に出席した先代の社長から『モルテンは2軍として扱われている。優秀賞を取りに行け』と社内に号令がかかったことで加速し、愚直な改善を重ねてきた。現在は目指す姿を描き、現状とのギャップを埋めていく『目指す姿活動』に取り組み、継続している。キックオフから成果発表まで6―7カ月を1期とし、これまで9回繰り返した。(サプライヤーとして参加する)マツダ生産方式(MPS)や社内で進めるデジタル化などを含めた改善活動全てが、経営課題につながることを意識させるように取り組んでいる」

―現在設定している目指す姿は。

「『停滞のない、計画通りのモノづくり』だ。あえて抽象的に掲げて、それぞれの活動で個別に目標を設定する。自ら考えて取り組むことで個人の成長を促すのが狙いだ。売り上げ規模の拡大に工場の生産能力が追い付いておらず、在庫を抱えて複数の外部倉庫を利用している状況だ。スペース捻出には在庫を減らさなければならないが、計画通りのモノづくり実現が前提条件となる」

―マザー工場の理想像と直面する課題は。

「マザー工場とは生産性、利益ともにダントツで、工場が営業をできる、顧客が顧客を呼んでくる場になるのが理想と考えている。今は各ライン間に、見えない壁があるように思える。隣のラインや他の工場を見聞きすることで改善の可能性は広がる。班長やライン長を積極的に外へと連れ出したい。人への投資は重要だ。たとえ現場の貴重な戦力であっても、若手を海外拠点に派遣する。私も身をもって経験したが、苦労はするが大きく成長できる。モノづくりと人づくりは両輪をそろえる必要がある」

(2024/9/4 12:00)

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