アイスペース、月面探査車を日本に輸送 今冬打ち上げに向け

(2024/9/4 17:00)

  • 左からアイスペースの斉木敦史CRO、袴田武史CEO、Axiom Spaceの若田光一CTO

 ispace(アイスペース)は4日、2024年冬に打ち上げ予定の民間月面探査プログラム「HAKUTOーR」ミッション2の月着陸船に搭載する小型月面探査車「テネシアス」を日本に輸送したと発表した。この月面探査車は同社欧州拠点で数年間にわたって開発し、完成した。日本では輸送での損傷がないかを確認した後、月着陸船に搭載した状態での環境・機能試験を行う。今冬にも米スペースXのロケットで月へ打ち上げられる。

 アイスペースが同日開いた会見で、袴田武史最高経営責任者(CEO)は「ミッション1は失敗したが多くの経験ができた。成功の先にある新たな経済圏での活動につなげたい」と意気込んだ。

 月面探査車の輸送は日本航空(JAL)グループが協力し、航空機で8月上旬にフランスから日本に運んだ。ほかにも推進系配管の溶接やX線での非破壊検査などに貢献している。航空機整備を担うJALエンジニアリング(東京都大田区)の秡川宏樹取締役は「航空機の持つ技術を生かし、今後も貢献したい」とした。

 HAKUTOーRミッション2は、月着陸船での月面着陸とテネシアスでの月探査が目的。月の情報と地球뗙月輸送サービス構築のための技術検証を進める。23年4月に実施したミッション1の月面着陸は直前で失敗したが、2回目の挑戦で成功させ、民間での月面開発の促進につなげる。

(2024/9/4 17:00)

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