天ぷらをロボットが立体的盛り付け 奈良先端大開発

(2024/9/18 17:00)

学習データ30分の1に

  • 天ぷらを盛り付けるロボ

奈良先端科学技術大学院大学の権裕煥特任助教と松原崇充教授らは、天ぷらの立体的な盛り付けロボットを開発した。見本画像を参考にして人工知能(AI)技術で盛り付け動作を生成する。従来に比べて学習データを30分の1に抑えられた。食品は一つひとつの形が微妙に違い立体的に組み上げるのが難しい。AIロボで対応できると外食産業での省人化につながる。

AI技術の完全畳み込みニューラルネットワーク(FCNN)などを複数組み合わせて盛り付け動作を生成した。食品の把持用のFCNNと配置用のFCNN、二つのFCNNを統合するニューラルネットワークを訓練する。最初に天ぷら一つを皿に載せる動作を25回ずつ、4種で100回繰り返してから、固定されたイモ天などの上にエビ天を載せる動作を100回行うなどと、徐々に自由度を増やして800回分のデータを学習させる。

天ぷらの把持候補点を絞り込むことなどで学習に必要な数を減らした。従来技術は天ぷらの代わりに長方形の積み木で同じ盛り付けを学習させると2万5000回の試行が必要だった。食品は形が変わるため、より試行数が必要になる。少なくとも学習データを30分の1以下に抑えられたことになる。

  • 盛り付け例

実験は腐らない食品サンプルを用いた。食品サンプルのない食材に対応するにはデータ数をさらに削減する必要がある。一方で食品ほどバラつきのない工業製品は新技術で対応できると見込まれる。成形炭など積み方や見せ方に付加価値のある分野に提案していく。

(2024/9/18 17:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

図解よくわかる 実践!スマート農業

図解よくわかる 実践!スマート農業

原子力年鑑2025

原子力年鑑2025

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい物流現場改善の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい物流現場改善の本

カラー版 目で見てわかる 測定工具の使い方・校正作業

カラー版 目で見てわかる 測定工具の使い方・校正作業

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン