荒川化学工業、ロジンの調達先多様化 脱中国依存へ

(2024/9/26 12:00)

  • 松の幹を傷付けて松ヤニを採取する

荒川化学工業は松由来の天然樹脂である「ロジン」を同社製品の約4割に使っている。ロジンは中国の生産が多く、同社も従来から中国産を主に調達してきた。ただ現在は調達国の多様化を進めて安定的な生産体制作りを進めるほか、海外ロジンメーカーへの技術指導にも取り組み、製品の品質向上につなげる。

ロジンは松の幹に傷を付け、流れ出した松ヤニを精製して製造する。荒川化学工業は、ロジンを印刷用インキ・塗料用樹脂や粘着・接着剤用樹脂、合成ゴム重合用乳化剤などに使っており、「非常に大事な製品」(齋藤博執行役員)だ。中国の生産量が減少し、中国からの調達だけではリスクがある。そのため、安定調達や事業継続計画(BCP)などの観点から、直近10年間に東南アジアや南米などからの調達を増やし、調達国の多様化を進めている。

ただロジンは産地によって品質が異なり、製品によって使い分ける必要がある。松由来のため、気候変動によって生産量が減るリスクがあり、選択できるロジンの品質が制約される可能性もある。

そのため、齋藤執行役員は「(ロジンの)使える範囲を広げていきたい」として、ロジンを使いこなす技術の研究も強化。再生医療などで使う細胞培養容器のコーティング剤など新しい用途向けの製品も開発している。品質の良いロジンの調達も重要なためロジンメーカーに採取や保管、製造方法なども技術指導する。

今後も調達国の多様化や海外メーカーと品質向上などを進めて安定的で高品質の製品供給に力を入れる。

(2024/9/26 12:00)

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